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ロシアに対する挑発

Al Gaddafi speaks Japanese 日本

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カダフィ大佐アルが話す - 日本

Muammar Al Gaddafi speaks Japanese日本

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Provoking-Russia - ロシアに対する挑発

ロシアに対する挑発  

2008年12月27日

東方拡大に向けて前進する欧州諸国はロシアを標的にしており、西欧列強はその軍事力の矛先をロシアに向けている。


19世紀初頭、ナポレオンは、石炭、鉄鉱石、石油、天然ガス、金など潤沢な資源を目的としたロシア遠征中、多くの欧州諸国を侵略した。 第二次世界大戦では、ヒトラーが同様に大軍でロシアに侵攻した。


現在、ナポレオンとヒトラーのロシア遠征の足跡をたどるのはNATOである。NATOは、ソ連崩壊後に空虚化したロシアを搾取しようとしているのだ。西欧列強はソ連率いる東欧ブロックを打破、冷戦の勝利を宣言し、ソ連の敗北と崩壊を歴史的業績と見なした。ロシア近傍の旧社会主義諸国の大半を加盟させた後、ロシア完全包囲を目的として、中央アジア、黒海、バルト海沿岸の旧ソ連諸国を獲得することにも躍起になっている。全方面からロシア包囲網を構築しようとするこの動きを、ロシアは危険な挑発行為と見なしている。それは確かな真実だ。ユーゴスラビアの内部崩壊と解体によって、NATOは対ロ包囲網というパズルの欠けたピースを手にした。しかし、古代および近代の歴史が、ロシアは簡単に包囲、解体、打倒できる国ではないことを証明している。

ロシアは、16000発の核弾頭という世界一の核兵器保有量を有している。ロシアが独自で保有するサイロ、潜水艦、戦略爆撃機から、これら核兵器を発射することが可能だ。ICBM、戦略爆撃機、原子力潜水艦という戦略核の3本柱を持つため、ロシア軍に欠如する訓練、可動性、ロジスティック面も補完できる。


世界平和への強い関心を進展させるべく、二つの世界大戦とは異なり、人類の崩壊と絶滅の危険性をも内包する新たな政策を容認しないよう呼びかける。ロシアへの挑発および同国を包囲しようとする試みは、無意味な全面核戦争勃発の危険性を生みだす。米国が、捏造された情報、稚拙な分析、近視的で利己的な見解に基づく政策決定を頻繁に行っている事実を考慮すれば、この脅威が実質的であることが理解できよう。西側諸国がコソボ独立を強力に支援したとき、アブハジアと南オセチアの独立要請といった波及効果を予測していたであろうか?CIAの機嫌取りをする全世界の諜報員からもたらされた未確認または捏造された情報の分析に基づき、米国がイラク開戦に踏み切ったことは認識されているだろうか?


ソ連崩壊および冷戦終焉後もNATOが存続し、拡大を続ける動機はただ一つ。ロシアと残る世界を支配することだ。

その他諸国と同様に、米国は自衛権を有している。米国の広大な領土を囲むのは、東に大西洋、西に太平洋、北に北極海、南に米国安保の脅威とはなりえない脆弱国。これら全ての要素が相まって、米国は、旧大陸の紛争や政治的野心から逃れた移民や難民にとっての絶好の避難場所となった。米国は普遍的な強国であり、世界各国の人々がその形成と繁栄に貢献してきた。この伝統の見返りとして、同国は国連および安全保障理事会の牽引役に相応しいだろう。しかし、世界中で勃発する紛争のすべてに関与し続ける米国の姿勢は、世界平和、安全、安定にとって大きな脅威となる。

米国は、1823年にジェームズ・モンロー大統領が採択した、「米国はヨーロッパ大陸に干渉せず、ヨーロッパはアメリカ大陸の独立国家の政治に干渉しない」とする、モンロー主義に立ち戻る必要がある。世界中に内政不干渉を波及させるため、本宣言を伝播させなければならない。

欧州は、独立した政治、経済、軍事的な地域統合体を構築し、国際政治の新たな舵取りとなる資格を有している。

しかし、歴史ある新興国ロシアには、自己防衛ができるよう政治的、経済的、軍事的発展を意のままにさせるべきである。

EUは、地理的に離れた米国と連携しなければ、ロシアと米国の間の戦略的な緩衝材となることができる。大西洋も、欧州と米国間の緩衝材の役割を果たす。欧州は、ロシアの潤沢な石油および天然ガス資源を引き続き享受すべきである。人口統計学的に見て、欧州にとって自然なパートナーは米国よりもロシアだ。民族関連の動機付けや第二次世界大戦後の米国の欧州占領に端を発する既成事実よりも、国益を冷静に判断することで、欧州はロシアと友好関係を構築することができる。

愚かさと欲は、人類を新たな破壊的状況に陥れる。致命的かつ破壊的な核兵器の保有国が戦争を開始すれば、その報酬を手にできる国は一つとして残らない。


ロシアはソ連ではないという私の警告に耳を傾けるべきだ。広大な領土を持つ多民族国家のソ連は、多くの旧国により構成されていたため、その国民やクレムリンの指導者さえも信じないようなイデオロギーの原理が基盤となっていた。

対照的に現在のロシアは、哲学的信念や政治的、経済的イデオロギーを主張していない。ロシア国家自体に信念を抱くのみだ。事実、ソ連のマルクス史観が崩壊しても、その国民は道連れにならず生き残り、ソ連とそのイデオロギーの崩壊を祝いさえもした。現在、危機に瀕しているのは、ロシア国家の存在自体である。国民生活、自由、国家の終焉を意味するロシア崩壊を容認することはできない。この末路より死の方がましである。


現状判断を誤らないためにも、ソ連との対立から学んだ教訓を十分に活用しなければならない。これを無視することは自殺行為に等しい。現在のロシアに対して過去の対ロ戦略を適用するのは致命的である。過去にソ連に適用された帝国主義政策を現在のロシアに対して執れば、破壊的な結果は免れない。